第2章 ep.01 憎むべき存在
あれから暫くして医務室で眠っていたリディアが目を覚ました。
ミフウ
「お、気付いたかい?」
リディア
「ん…ぁ、ミフウ…」
ミフウ
「大丈夫?」
リディア
「うん…大丈夫」
上体を起こして椅子に腰掛けているミフウへ視線を向けた
リディア
「ふふ…お医者さんの時のミフウは白衣、着てるんだね」
ミフウ
「たく、起きて早々言うのはそれ?それに、医者の時ってずっと医者だっつーの」
リディア
「そっか、確かに」
肩を揺らして笑むリディアを見てミフウは少しばかり安堵の息を溢した
ミフウ
「貧血気味だけど平気?」
リディア
「ん、大丈夫。…それに、ヴィンスに吸血衝動を抑える薬をどれだけ効くのか教えなきゃいけないから今、血の補充しちゃうとまたくる期間延びちゃうから」
ミフウ
「あぁ、吸血衝動抑制薬ね。あれはあたしも一緒に作ったからその結果は知りたいかも」
体調的には辛い筈なのに研究の事を考えるリディアにミフウは有り難そうな表情をしたものの、リディアは初めて知らされる真実に目を丸くした
リディア
「一緒に作ったの?」
ミフウ
「うん。結構時間かけて作った自信作。…まぁ、だから何だ…辛いだろうけど宜しくね」
困った様に笑うミフウにリディアは微笑みながら頷いた…と思ったら今度は不安気な表情を浮かべる
リディア
「ノムは…その、大丈夫だった?」
そんな問いがくると思ってなかったミフウは驚きの表情を浮かべた。
殺されかけた相手の心配をするなんて吸血鬼でも人間でもきっといない
ミフウ
「大丈夫ってのは?」
リディア
「ヴィンスに怒られて追い出されたり、とか」
ミフウ
「そんな事なってないよ、大丈夫。変な子。…あ、明日の配給ねノムも行く事になったよ」
リディア
「ノムも?…私がいるのに…良いのかな」
ミフウ
「良いんじゃない、気にすんな」
くしゃっと笑うミフウを見たリディアは、つられたように笑みを浮かべた。
それからリディアが部屋に戻るとフリントが心配そうに寄ってきて、元気そうな彼女を見て安堵の笑みを溢したのだった