第4章 鍛錬と最終選別
「ココカラ、ホクトウ!オニノモクゲキジョウホウアリ!ショウジョトトモニ、ゲンチヘムカエ!」
そう言って杏寿郎の肩に止まり、羽を休めだした。
いつもなら何の疑問もなく鎹鴉の持ってきた指令に従うが、今回はどうやら話が違うようだ。
「む!更紗も連れて行くのか?!それは更紗に危険が及ぶのではないのか?!」
声を荒らげる杏寿郎に対して、鎹鴉はどこ吹く風かシレッとしている……ように見える。
「ウム!!ツキガミショウジョモドウコウサセヨ!ハヤクシタマエ!ヒトジニガデルゾ!!」
杏寿郎の口調だが片言なので、ずいぶん偉そうに聞こえる。
ふむ、と杏寿郎は思案するが、指令が出たのであれば隊律に従い更紗を同行させて鬼狩りに行くしかない。
「更紗、本部の指示に従って君を鬼狩りの現場に同行させなくてはならない!鬼は俺が斬る!君は最終選別で倒すべき鬼がどのようなものか、どのように倒すのかをしっかり近くで見ておけ!」
更紗に選択の余地はない。
鬼殺隊の柱である杏寿郎に下された指令を覆す事など、鬼殺隊剣士ですらない更紗には不可能である。