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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第4章 鍛錬と最終選別


しのぶの蝶屋敷の付近は杏寿郎が住んでいる家の近辺と比べると、家もまばらでのどかである。
夕暮れ時という事もあって人の姿もたまに見かける程度だ。

夕日に照らされる中、更紗は自ら杏寿郎から自分の刀を受け取り、全集中の呼吸常中をして全力で走っていた。

(今日は無理をするなと言ったが……意外と頑固だな)

更紗が汗を流して苦しそうに走っている横で、杏寿郎は涼しい顔をして考え事をしながら付き添っている。
そして空を見上げて眉をひそめた。

(もう幾ばくもせず日が沈む。稀血の匂いに誘われて鬼が来ても厄介だな……)

そんな事を思っているとそれが現実になるのが世の常である。

走っている杏寿郎の頭上に、いつも任務を共にしている鎹鴉が現れた。

(姿が見えないと思っていたが……やはりか)

「更紗、止まれ!報せが届いた!」

杏寿郎の声に反応して更紗は立ち止まり、肩で息をしながら杏寿郎と鎹鴉を交互に見やる。

「ハァハァ……任務ですか??」

更紗の声に答えたのは鎹鴉だった。
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