第4章 鍛錬と最終選別
そうして落ち着きを取り戻した更紗と、出発前に千寿郎から受け取った握り飯を頬張った。
いかなる時も更紗の生命の源、つまり生命を維持するのに必要な食事はこれから欠かせない。
「む!!鯛の塩焼きが入っていた!美味い!!」
千寿郎には止められたが、今は杏寿郎以外そばにいないので、更紗も美味い美味いと食べ進める。
(千寿郎と父上の作ってくれた握り飯は格別だ!)
杏寿郎は腹も心も満たされ幸せな気持ちで食べ終わる。
もちろん更紗も同じ気持ちなのか、満足そうにニコニコしながら、ご馳走様でしたと手を合わせていた。
「さて、更紗!今日はどうする??胡蝶は泊まっていっても良いと言ってくれていた!俺は今日まで任務はないので、どちらでも構わないぞ!」
更紗は考えるまでもないと言うように即答する。
「私は杏寿郎さんとあのお家に帰りたいです。杏寿郎さんと千寿郎さんとご当主様がいるあのお家が大好きです」
杏寿郎はフワッと笑顔になると、更紗の頭をワシワシと撫でて頷く。
「ああ!俺も更紗と千寿郎と父上がいるあの家が大好きだ!あと少ししたら、胡蝶に声を掛けて今日は帰ろう!」
その後、しのぶに声を掛けた時、すごく名残惜しそうにしていたそうな。