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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第4章 鍛錬と最終選別


長く話したしのぶは茶で喉を潤しホッと息を着く。

「おおまかに話すとこういった内容でした。お2人ともご理解いただけたと思いますが、更紗ちゃんの力は無闇矢鱈と使用できるものではありません。かすり傷などは問題ないと思いますが、大きな損傷を修復しようとすれば、最悪の場合命を落とします」

最後の言葉に2人は息を呑んだ。
特に更紗に関しては、今まであの屋敷で毎食粥1杯だけしか与えられず、その状況下で人の治療を行っていたのだ。
そんなに多くはないが1年の間で数人は重篤な者を治癒していた。

「胡蝶様……私、杏寿郎さんに助けていただくまで……少量の食事で多くの人を治癒していました。あの……私の寿命はどのくらい……」

そこまで言って、堰を切ったように涙をポロポロと流し出した。
誰だって自分の意思とは関係なく、知らぬ間に勝手に命を削られていれば絶望するだろう。
杏寿郎はそれでも耐えるかのように涙を流すだけの更紗を、思わず自分の胸に誘い抱き締めた。

しのぶも辛そうにその様子を眺め、そっと答える。

「今の私には更紗ちゃんがどれ程の命を犠牲にしたかは分かりません。ですが、お話を聞かせてもらったり検査を続ければ分かることもあるとは思います」
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