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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第4章 鍛錬と最終選別


更紗の喉はカラカラに乾き、体温はぐんぐん下がっているように小刻みに震えている。
それを見る杏寿郎は、更紗の膝に置かれたままの手を優しく握りしめた。
そうして更紗の代わりにしのぶに確認する。

「村やそこに住んでいる人はどうだったか、宇髄は何か言っていたか?」

「はい。廃村と化しており人は住んでいなかったと。ですが、村のどの家屋の中にも血痕は見つからず、人の手で荒らされた形跡はなかったようです」

「そうか……」

3人の間に沈黙が流れるも、更紗がしっかりとした口調で沈黙を破る。

「私は大丈夫です。両親も村の人も亡くなったと決まった訳ではありませんもの。それなら、私は最終選別に合格して任務をこなしながら、両親達を探していきます」

いまだに体は小刻みに震えているが、その瞳はしっかりと前を見据えている。
杏寿郎としのぶは驚き目を丸くするも、更紗の強い意志を感じ取り笑顔で頷く。

「宇髄さんも、そう仰られていました。あと、任務で直接伝えてやれない事も謝っててくれ、と」

天元はたまたまこの近くで任務があり、その後も立て続いているらしく、近々2人が蝶屋敷に立ち寄ると知って、しのぶに託して行ったのだ。
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