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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第4章 鍛錬と最終選別


聞き入れて貰えないのではなく、聞き入れると今までの更紗の頑張りが無駄になるという事だろう。

(まだまだ鍛錬が足りませんね……弱音を吐く元気があるなら、少しでも呼吸を継続しなくては!この後は刀を差して走るのですから、これくらいでへばっていてはお話しになりません)

表情を引き締めると、更紗は歩幅を大きくし、それに合わせて振られる手の動きも大きくして、先程までより全集中の呼吸に集中してズンズン歩いていく。
自分の言おうとしている事を更紗が理解したと感じ取った杏寿郎は満足気に頷いている。

「感心、感心!」

前を行く更紗には聞こえていないが、そこには確かに更紗の頑張りを認める声があった。

「だが、この速度だと蝶屋敷に着く頃には日が暮れてしまうな……この街を出たら運んでやらなくては」

早朝に出発したものの、人里を離れていない今、すでに太陽は高く昇ろうとしている。
それほどまでに更紗に今課している鍛錬は厳しいものなのだ。

全集中の呼吸常中。
鬼殺隊剣士であってもそれを出来る者は柱を除き、数える程だ。
基本中の基本だが、生半可な気持ちで会得できない。
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