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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第4章 鍛錬と最終選別


「杏寿郎さん!私も嬉しいです!!ご当主様、やっぱりずっとお2人の身を心配されてたんですよ!」

その言葉に杏寿郎は泣きそうな顔になり、空中で振り回していた更紗を自身の顔が更紗のお腹付近に埋められる位置まで降ろし、そのまま抱き締めた。

「あぁ、そうだな。更紗の日々の父上に対する対応の賜物だ、ありがとう」

「私は何もしていませんよ?」

「いや、食事を君が運ぶ時、いつも父上に話し掛けてくれていただろう?千寿郎ともよくその事を話していた。突っぱねられても返事が返ってこずとも、毎日、毎回……」

更紗はそれを毎回目撃されていたこと、それに気付かなかった自分に驚きと恥ずかしさを覚えていた。

「あれは、その……ただお父さんに似た目をしているご当主様とどうしてもお話しがしたくて……むしろご迷惑をおかけしていたの間違いでは……それに、もしいいように思ってくださっていたとしても、杏寿郎さんと千寿郎さんがいて、お2人の声もあったからこそご当主様はお見送りに来てくださったのだと思います」

杏寿郎は1度ギュッと抱きしめる力を強めてから自身を落ち着ける為にゆっくり深呼吸をして、更紗を地面へ降ろした。
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