第4章 鍛錬と最終選別
「えぇ?!杏寿郎さん、どうされましたか?!体調が悪かったのですか?!」
慌てる更紗を横目で見ると、杏寿郎はいきなり笑いだした。
「アハハっ!!本当に君は真綿のようにすぐに色々なものを吸い込み自分のものとする!この数ヶ月で、随分と感情表現が豊かになった!喜ばしい事だ!!」
答えになっていない答えを言うと、いまだに心配そうに杏寿郎を覗き込む更紗と目が合ったが、自らの腕で目を隠した。
「ああは言ったものの、断られたらどうしようかと考えていた。君のしなやかさや線の細さから考えると、炎柱である俺より派生の恋柱か蟲柱の継子の方が合っているかもしれん。以前に柱の話をしたからな、そっちがいいと言われれば、立場上、激励し送り出さなければならない」
更紗からは目元を隠されていて表情は見えないが、話し口調は雰囲気からなんとなく安堵しているように感じる。
杏寿郎の言葉に何か返そうかと口を開いたが、続きがあると感じ取りもう一度口を閉じた。