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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第4章 鍛錬と最終選別


思わず更紗の顔が引き攣るが、杏寿郎はそんな更紗に更に追い打ちをかける。

「呼吸を駆使するのだから、常に全力で走れ!手を抜いていると俺が判断したその瞬間、その場で腹筋、背筋、腕立て50回ずつだ!」

笑顔で言っているが、内容は笑えたものではない。
だが杏寿郎の鬼師範ぶりはこれで収まらない。

体勢を変えることのないまま後ろに手をやり、長いものを二人の間に置く。
それは杏寿郎のものではない刀であった。

「これは……刀ですか??」

杏寿郎は頷いて、刀を持って立ち上がる。
杏寿郎の刀より短めのそれを鞘からゆっくりと抜き出すと、淡く赤い刀身がゆらりと揺らめいた。

「これは最終選別と言って、鬼殺隊に入る為に必要な試験まで使う刀。俺の日輪刀と言う特殊な鬼狩り用の刀の劣化版のようなものだ。雑魚鬼くらいならば、この刀で十分頸を斬れる」

見とれるほど綺麗な刀身だが鬼はもちろん人の命も簡単に奪えるものだと見ただけで理解出来る、妖しい光を放っている。

「最終……選別とはどう言ったものなのでしょうか?」

更紗の問いを受け、杏寿郎は刀を鞘に鮮やかな手さばきでしまうと再び座り二人の間に刀を置く。
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