第4章 鍛錬と最終選別
それから2ヶ月間が過ぎ、その間に杏寿郎の誕生日が来て3人でささやかながらお祝いをしたり、鍛錬に至っては山に行ってひたすら受け身を行い、杏寿郎が任務でいない時は素振りに腹筋などの基礎鍛錬。
肺を大きくする為に走り込んだり、水に顔をつけて息を止めたりを繰り返した。
基本的な剣術も教えてもらったので、千寿郎の手が空いている時は打ち合いの相手をしてもらっていた。
初めこそ勝てなかったが、たまに軽くであるが杏寿郎にも相手をしてもらっていたので勝てるようになってきた。
そしてたまに天元がやって来ては気まぐれに受け身や動体視力を鍛える為、走り込んでいる途中に命の危機を感じる物を影から投げてきたり……杏寿郎とはまた違った厳しさの鍛錬をしてくれていた。
どうにかこうにか目まぐるしい日々を過ごしていたある日の夜、杏寿郎に呼ばれて居間へとやって来て、向かい合って座っている。
「基本的な事はある程度こなせるようになってきた!木刀すら握った事もなかった君が、正直ここまで着いてくるとは思っていなかったぞ!」
杏寿郎なりの褒め言葉が嬉しくて、思わず笑みが零れる。