第4章 鍛錬と最終選別
「よもやよもやだ!!あんな言葉遣いが出来るんだな!!ふむ!いいものを聞いた!!」
「ハハッ!お前の姫さん、いいじゃねぇか!!泣くどころか自分に怒ってんぞ?!面白ぇ、剣術以外ならたまに手伝ってやる!」
まさか更紗もここまで声が聞こえて、2人に驚かれて笑われる事態に陥っているなんて思ってなかっただろう。
だが、更紗にとってはもちろん、杏寿郎にとってもこの叫びが鍛錬を続けていくことに図らずしもよくなった。
更紗にとっては杏寿郎だけでなく、天元も鍛錬に参加してたまにであっても面倒を見てもらえる。
杏寿郎にとっては育手として、全力で更紗へ指導出来るようになったのだ。
「それは助かる!!動体視力を鍛える時に宇髄の経験は、更紗にとって大きな力になる」
「派手に任せとけ!せっかくのお前の姫さんだ、最終選別で簡単に死なすのは勿体ねぇ!!」
杏寿郎は大きな助力を得て満足気に頷いているが、顔だけ天元に向けて明後日の方へ視線を向けて問う。
「それにしても、その姫さんと言うのはどうにかならんのか?!平静を保つのに苦労しているのだが!!」
「え、お前ずっと気にしてたの??」
杏寿郎の願いは聞き入れられなかったようだ。