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2人の監督生

第5章 告白


~ジェイドver~

今日は珍しくジェイドから手伝ってほしい、と言われて指定された通り植物園に来た。さっそく植物園の隅でしゃがんでいるジェイドに駆け寄ると、いつもより機嫌よく迎えてくれた。

「かなさんこちらです。ここですよ、僕が言ったキノコの群生地は。」

「うっわ…大量のキノコですね。フロイド先輩が嫌がりそう……」

「ここで先生に許可を頂いて育てているのです。しかし他の方に言っても誰も見に来てもらえず……」

よよよ…と嘘泣きをするジェイド。だから我慢ならず比較的声を掛けやすかった私に見てもらおうとしたのか。たしかにこういうの少し興味はあるけど…こんな横っちょにこじんまりとあるんじゃ誰も見つけられないんじゃないかとも思う。

「キノコが泣いています。こんなに可愛らしいのに…それに加えて小さくて、生命力が強く食べても美味しい、素晴らしいじゃないですか。」

「本当にキノコが大好きなんですね。愛が伝わってきます。」

「かなさんだけです、キノコのことを理解してくれるのは。この学園に話が合う人がいてとても嬉しいです。」

「ふふっ、それは良かったです。ジェイド先輩の話し相手になれて。」

「ではもう少し付き合っていただけますか?」

「いいですよ!!」

キノコの話でここまで嬉しそうに話すのはジェイド先輩しかいないと思う。正直キノコ自体にそこまで興味はないけど、キノコの話をするジェイドは年相応で見ててとても楽しいのだ。

「先程の可愛らしい、という話ですが…小さくて愛くるしいとも言えます。小さい生物でも逞しく生きて成長する。決して挫けない。そういうところも僕は好きです。」

「深いですね~…」

「何と言っても調理法も数々あり飽きないですよね。ふっくらとしているだけでなく、しっかりと歯ごたえがあるところもいいと思います。」

…凄いなぁ、本当にキノコのことが好きなんだ。今までこうやってキノコ愛を誰かに聞いてもらうような機会がなかったんだろう。一応相打ちはうってるが、ノンストップで話続けるジェイドをじっ、と眺める。
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