第5章 告白
「オレも最近気になるヤツできてさ。」
「ん?」
「ちょっとだけ髪とかペイントとか気にしてんの。気づいてた?」
「へ、へ~…」
全然気づかなかった。自分は着飾って相手のことを見てないなんて最低だな、私。というか、エースも好きな子いるんだ…まぁそうだよなぁ。健全な高校生だもんなぁ…
「エースも好きな子いるんだね。どんな子なの?」
「んー…一緒にいて飽きねぇし、やっぱなんか…なんつーの?守ってやりたくなる感じ?そういうところがあるんだよなぁ…後、笑顔がすっげぇ可愛いんだよ。」
「………いいね、恋してるって感じ。」
こんなに一緒にいて、こんな話をしてこなかったから何か新鮮だな。エースもこんなに好きな子ができたんだ。誰だろう…まさかこの学校じゃないよね…どっちでも構わないけど、エースが好きになった子のこと凄い気になる。
「……でもさ、オレがこーんなに好きだって言ってんのに!!そいつぜーんぜん気づかねぇんだよ。」
「鈍感な子なんだね。」
「そーなの。映画にも誘ったし、水族館にも行ったし…誕生日も祝ったのによ?意識してくれてもいいのにな。」
「…へ~?」
デートスポットにはあらかた行ったみたいだ。私もエースに誘われて行ったけど…なるほど、その子と行くための練習というわけだったのか。なんか悔しい。
「一番ムカつくのは、好きな人いたんだねっていう反応されること。ったく、鈍感にもほどがあるだろ。」
「そーね、確かに…」
こっちはお前のこと好きでアピールしてるっていうのに…これはヤキモキするだろうな。もうこれは直接告白しないと気づいてもらえないんじゃないだろうか。そう言おうと思ってエースを見ると…頬杖をついてジト、とこっちを見ていた。
「……これだけ言っても気づかねぇ?」
「何が?」
「……だーかーらー!!オレはお前のことが好きなんだっての!!さっさと気づけ、バカ。」
照れて頬が少し染まっているエースを見て、伝染したように熱くなる顔。そんな真正面から言われて照れないわけないじゃないか。しばらくお互い俯きあって沈黙が続いた。そしてもう人押し、というようにエースはこう言った。
「そんで?お前は…どうなの。」