第5章 告白
~エースver~
放課後、エースと今日までに提出しなければならない課題を教室でやっていた。かれこれ2時間くらい珍しく黙々とやっていたが…とうとうエースが根を上げた。
「だぁぁぁ、もう!!終わりが見えねぇーんだけど!?」
「…はぁ…エグい、エグすぎるよトレイン先生…」
「もーー無理、飽きた!!」
ばっさぁ、と机の上に広げていた教科書類を投げ出した。まぁ何となく隣でやってて、ペン回しをしたり、ペンを鼻の上に置いたりと明らかに集中できてない様子はあったけど。
「早すぎでしょ…」
「だ~ってよ、もうこれやり始めて2時間だろ?さすがに飽きるってーの!!」
「でも休み入れたら次いつ始められるか…」
「も~、真面目か!!適度な休憩も必要なんだって。ほらほら休む休む!!」
「あ、ちょっと!!…も~…」
無理やり私の持っていたペンを放り投げられる。まぁ……2時間もやってたら確かに効率は悪いかもしれないけど。もう休む体制のエースをを見て、ため息が出る。
「何か飲み物買ってこようか?」
「いいよ。ここでステイだ、駄犬!!」
「なにそれ、クルーウェル先生のマネ?」
「似てるだろ?」
「そもそも駄犬じゃなくて仔犬だし。」
「あ、そうじゃん!」
2人で顔を寄せ合って笑う。あ~…楽しい。笑い過ぎて目じりに溜まった涙を拭うと、エースがじっ、と私の顔を見ていることに気づいた。
「?何?」
「お前さ、最近オシャレになったよな。前よりも女子っぽくなったっつーか…」
「え?ホント?」
「好きなやつでもできた?」
「えっ」
真面目な顔でそう聞くもんだから少しドキ、としてしまう。確かに私は最近制服のリボンの色を気分で変えたり、スカートの長さを短くしたり、メイクを変えたり色々工夫をしている。
「女がオシャレになる時は、好きなやつができた時だって兄貴が言ってたからさ。…で?」
「…で?とは…」
「できたの?」
「ま……まぁ、」
恋というのか分からないけど。でもエースには可愛いって思われたいし、あわよくばとは思ってる。あいまいな返事で返すと、ふーん、と椅子に寄り掛かる。