第4章 ポッキーゲーム
~ジェイドver~
「おや、こんにちはかなさん。」
放課後、授業終わりに私はオクタヴィネルへと来ていた。目的はジェイドとポッキーゲームをするためだ。例のごとく半強制的にオンボロ寮を追い出されポッキーを持たされたのだ。まぁね、恥ずかしいこの上ないけど、正直興味はあるわけだから相棒をそんな責められないわけだけど。
「フロイドなら奥ですよ。」
「あ、いえ、今日はジェイド先輩に用があって…」
「僕ですか?嬉しいですね。」
いつもバイト以外にここに来るときは、フロイドに呼び出されて渋々ということが多い。大体はフロイドが勝手に遊びにくる、というのが圧倒的に多いのである。
「大した用事ではないんですけど…今大丈夫ですか?」
「えぇ、構いませんよ。ちょうど休憩に入ろうと部屋に戻るところでしたので。」
「あ、そうだったんですね。ナイスタイミングです!」
そのままニコニコと部屋に案内されて大人しくお邪魔する。同室であるフロイドはここにはいないようだ。差し出されたクッションに腰を掛ける。
「それで、何の御用です?」
「えっと、ゲームをしに来たんです。」
「ゲーム……おや、それはポッキーですか?」
「あ、そうです。あれ、ポッキーを知ってるんですか?」
「えぇ、知っていますよ。山に登るときのおやつにと常備をしています。」
アズールやフロイドが知らなかったので、てっきり知らないものだと思っていた。ジェイドは見た目によらず結構アウトドアなので色々と陸の食べ物についてもう結構知っているのかもしれない。
「それで、そのポッキーを使うのですか?」
「そうです、ポッキーゲームというんですけど…」
簡単にポッキーゲームの説明をすれば、最初からもうそうだったけど乗り気を見せたジェイドに驚く。結構ノリはいいよね、リーチ兄弟は。説得しないで済むからこちらとしては楽である。