第2章 BL疑惑
そう言ってケイトは行ってしまう。今更だが、授業中だというのに色んな人に出会うなぁ…あまり深く考えないほうがいいのか。と、思っていると前からスカラビアの2人が話しているのが見えた。
「あ、ウミヘビちゃんとラッコちゃんじゃん。」
「お前たちか…」
「かなとフロイドか!!久しぶりだな!!」
「お久しぶりです~」
「どーしたんだ?何か用か?」
「面倒ごとなら遠慮するぞ。」
「いや、用事自体はすぐ終わりますんで…!!」
ジャミルはフロイドを見ると顔を歪めた。気持ちはわかる、私だって名前呼ばれてすごい勢いで追いかけてくるとびっくりして逃げてしまうのだから。結果はいつも捕まってしまうけど。
「ウミヘビ君とラッコちゃんはぁ、オレのこと好き?」
「おう!!好きだぞ!!」
「おいカリム!!」
「光属性…」
反射で拝んでしまうのはしょうがない。好き?と聞かれて好きだ、と答えるのはこの学校でカリムだけだろう。光属性はそれだけ貴重なのだ。
「ウミヘビ君はぁ?」
「嫌いだ!!!!」
「じゃあオレも嫌-い。」
「ラッコちゃんはーー、好きだけどやりたくはねーかな。」
「は??????」
「ジャ、ジャミル先輩どうどう…」
見たこともないような般若の顔をしたジャミル。なだめながらことの説明をする。オーバーブロット事件からカリムへの態度が変わったが、そういうところは変わらないので素なのだろうか。条件反射なのだろうか。どっちにしろカリムのこと大好きじゃないか。
「はぁ…そんなことか。勝手にやってろ、行くぞカリム。」
「お、おう?待ってくれよジャミル!お前らまたな!!」
「じゃあ~ね~」
心底興味なさそうに言い捨てると、スタスタとどこかへ行ってしまった。カリムもそんなジャミルをみて慌てて追いかける。…もうあの二人ができてるって思っていたほうが納得するんだけど。
「はい、もうだいぶ聞きましたよ。」
「あんま分かんなかったぁ。オレやっぱりオスに興味ねぇかも。」
「んー…じゃあまた私の勘違いかなぁ…お似合いだと思ったけど…」
「んじゃサンゴちゃんに聞いてみんのが一番早ぇんじゃねぇ?ほら、あっちからカニちゃんとサバちゃんが歩いてきてるし。」
「あ、ほんとだ。補習終わったのかな。」