第2章 BL疑惑
~フロイドver.~
お昼を食堂ですまし、オンボロ寮へ戻るため廊下を歩く。周りは授業で遅れそうで走ってる生徒がちらほらと見える。私はこの後自習なので、そんな生徒を横目に頑張れ~、なんて呑気なことを思う。
「あ、小エビちゃんじゃん。」
「ん?あ、フロイド先輩。こんにちは~」
角を曲がったとき、大きな壁に阻まれた。こんな大きな壁なんてあったかいな、なんて思ってると上から声がふってきた。壁だと思いました、なんていうと絞められそうなので黙っておく。
「どーしたの?どこいくの?」
「次の授業が自習になったんで、オンボロ寮に帰ろうかと。なつきたちはデュースの補習に付き合うって言ってたので。」
「ふ~ん、じゃあオレも授業サボる~♪」
「え?ダメですよ、ちゃんと授業行かなきゃ。」
「え~やだぁ…今日は気分のんねぇから、小エビちゃんと遊ぶ。」
気分で授業をこう何度もサボられちゃ先生もたまったもんじゃないな。だったらもう来る見込みがないレオナの方がマシなのではないか。前言撤回、どっちもどっちだ。
「遊ぶって…私、怒られても知りませんからね?」
「いーよ別に。どうせつまんねぇし。」
「聞き捨てならないね、フロイド。授業をサボってかなとお喋りかい?」
「あっ…リドル先輩!」
生徒が完全にいなくなった廊下の向こうからリドルがやってきた。リドルのクラスも授業は自習だったのだろうか。学年一位がサボりなんてあり得ないからね。
「なんだか久しぶりだね、かな。明日お茶会があるんだ、かなも来るかい?」
「ほんとにお久しぶりです…!トレイ先輩にも誘っていただきました。ぜひ参加させてください。」
「そうか、トレイが先に誘っていたんだね。今回のお茶会はいつもより豪華そうだ。」
いつもはなつきがよく参加している。エーデュースとよくいるので、流れで参加することが多いという。私はこうしてたまにハーツラビュルの人に会うと誘ってくれるのでありがたいことだ。
「えーーー、金魚ちゃんオレは~~?」
「授業もまともに受けない人に飲ませるお茶はないよ。大体何でボクが君を招待しないといけないんだい。」
「オレもケーキ食べた~~い!!」
「重い!!!退くんだ!!!」