第2章 BL疑惑
~ジェイドver~
「お疲れ様です、かなさん。今日のシフトはこの時間で終わりですか?」
「あ、お疲れ様です!そうですね、もう終わりです。」
いつものようにモストロ・ラウンジのバイトをこなして、オンボロ寮へさて帰ろうとした時、ジェイドに声をかけられた。
「そうですか。この後の用事は?」
「んー…クルーウェル先生の課題が1つあるくらいです。あ、でもすぐ終わる課題なので寝る前にやろうかなって思ってるので、この後は特に用事はないですよ!」
「それでは購買まで付き合っていただけますか?恥ずかしながら小腹が空いてしまいまして。」
「あぁ、なるほど!いいですよ、行きましょう。」
カフェで働いているのであれば、つまみ食いや自分で作ることも可能なのでは…と思っていたが、意外に厳しくて営業中は腹を満たすための調理は禁止されている。営業外は問題ないらしいが…この間フロイドが勝手に作って、アズールに怒られたのを目撃したことがある。
「ふふふ…そういえば、この間のアズールとの話、解決しましたか?」
「え、あぁ…私の勘違いだったみたいで…お恥ずかしいです。めちゃくちゃ否定されました。」
「いえ、こちらも悪ノリしてしまってすみません ^^ アズールの反応が面白かったもので…誤解が解けてよかったです。」
「いえいえ、私も面白かったです。」
後になって思ってみれば、確かにジェイドは面白がっていたな…なんて思う。アズールの必至の否定により本当に付き合っていないことが分かった。そんなに否定することないじゃん、というレベルで否定されてしまった。
「おや、もうついてしまいましたか。かなさんと話をしていると、時間があっという間に感じてしまいますね。」
「そうですか?そう思っていただけて光栄です。」
「おお、こんなところで奇遇だな。」
「あっ…トレイ先輩!」
購買にジェイドと並んでいると、廊下からトレイが声をかけてきた。すっごい久しぶりだと思う。なつきみたいにハーツラビュル寮に入り浸っているわけではないのでしょうがない。
「おや、お久しぶりですトレイさん。」
「2人でいるなんて珍しいな。フロイドは今日はいないのか?」
「いやですねぇ、ずっと一緒にいるわけではありませんよ ^^」