第2章 BL疑惑
「え、いいんですか…聞いても…」
「えぇ、どうぞ。」
「この前、お2人が図書館で調べものしてるのを見かけて声かけようと思ったら、お2人がその………距離が近くてアズール先輩の顔が赤くなってたから、もしかして…お2人は付き合ってるんですか!!!」
「……はぁ??いや、はぁ??」
全く予想していなかったカミングアウトだったのか、いつもの丁寧な口調が乱れている。メガネもズル、とずれてしまっていた。
「なるほど…それなら競いたくなりますもんね、うんうん。私は応援します!!!」
「おや、何の話をしているのですか?」
「あ、ジェイド先輩。」
「こんにちは、かなさん。」
「ジェイド…」
タイミングがいいのか悪いのか、ジェイドが現れた。アズールは分かりやすく顔を歪める。恋人に向けるような顔ではないはずなのだが、私はその時は気づかなかった。
「アズール、飛行術の練習ならば僕たちも呼んでいただければよかったのに。」
「呼ぶわけないだろ。」
「照れ屋さんなんですよ、アズール先輩は。」
「照れ屋…?それはそれとして、何の話をしてたのです?」
「アズール先輩とジェイド先輩が付き合っているっていう話をしてました!私は応援しますので!」
「………僕と、アズールが?」
私の言葉にぱちくりと瞬きを繰り返したジェイド。コクコク、ワクワクして肯定をする。ジェイドは無言でアズールを見る。アズールは何かジェイドに向かって首をブンブン降っている。別に誰にも言わないのに…
「ふふふ…かなさん、ありがとうございます ^^」
「ジェイドおおおおおおおお!!!」
「これから2人だけの時間なので、アズールを借りてもよろしいでしょうか。」
「ジェイドおおおおおおおお!!!」
アズールはジェイドに向かって声を荒げる。そんなに恥ずかしがらなくても大丈夫だよ。
「え、どうぞどうぞ!邪魔者は去ります!」
「それではまた ^^ アズール、行きますよ。」
「否定を、否定をしろジェイドおおおおおおおお!!!」