第1章 アダムとイブ
「ゆっくりでいい。お前も…協力してやってくれ。」
「はい。そのつもりです。」
この方のため…私達はアダムの林檎計画をなんとしても成功させる。
けれど…
「……カールハインツ様。あの子は…本当にアダムを選ぶでしょうか。」
1つ気になった事がある。
ルキ兄達も元人間だったらしい。
純血ではないルキ兄達に…アダムになる資格はあるんだろうか。
「……ふっ、それは時がくればいずれ。」
カールハインツ様はそうやって曖昧な返事をした。
曖昧な返事…。
けど…私は、ルキ兄達を信じて遂行するまで待つしかない。
イブの荷物を全て受け取った私は無神家へ戻った。