第1章 アダムとイブ
「目的がなにか知りませんが…ここにいたって同じでしょう?
……私、帰ります。」
「……はぁ。おまえが何を思おうが、こっちは関係ねぇんだよ。」
扉に向かおうとしたイブを止めるコウ兄。
ちょっと…キレたみたいだ。
「っ…!」
「……まぁいい。どっちにしても、ここから出ることは出来ない。
俺達にはお前が必要だ。諦めるんだな。」
ルキ兄がそう言うと、「そんな…。」と呟きながら、その場に座り込むイブ。
「……ルキ兄。私、行ってくる。」
「あぁ、すまない。頼む。」
私は、あの方の元へ行くため家を出た。