第4章 新しい感情
「なに?」
「……いや、そんなに本読んでて面白ぇのかなって。」
「……うん、まぁ面白いよ。基本的には暇つぶしにすぎないけど。」
一応、人間だった時の感情がちょっとだけ残ってるから…本を読むのは嫌いじゃない。
「ふーん。そうかよ。
……なぁ、お前もヴァンパイア、だよな。」
「……えぇ。そうね。」
やっぱり、分かるわよね。
さすが…カールハインツ様の息子。
「……なんか、調子狂うぜ。」
逆巻スバルはそう言って、頭を掻く。
そして、私の肩に頭を乗せる。
「っ…?な、なに…?」
「……別に、いいだろ。」
不覚にもちょっと、ドキッとしてしまった。
「……静かにしてくれるなら。」
私は浮かんだ感情を悟られないように押し殺して、逆巻スバルにそう返す。