第3章 元人間のヴァンパイア
そもそも…こんな私が恋なんてしていいのかも…分からない。
半端ものの私なんかが…。
私はそう思いながら、湯船に浸かっていた。
「……っ。」
アダムの林檎計画が成功した時…私はどうするんだろう。
今の望みはただ成功することだけだけど…。
それが本当に成功した時、私は一体…どこへ行くんだろう。
一生カールハインツ様の元で過ごすのが許されるなら、全然それでもいい。
ただ…アダムの林檎計画が成功した時…カールハインツ様も生きているんだろうか。
アダムは…ヴァンパイアの王になるはず。
……あの方は力を手放した時、どうなってしまうんだろう。
私はそんな事を考えながら、お風呂場を出た。