第3章 元人間のヴァンパイア
ーコンコン
「はい。」
「アリス…大丈夫…?」
部屋にやってきたのはアズサ兄。
扉を少し開けて、顔だけ覗いてくる。
「ん…なにが?」
「なにか…考え事、してたみたいだったから…車の中で…。」
……アズサ兄はすぐ横に居たから気付いちゃったのか。
顔に出てたかな。
「ん…大丈夫だよ。なんでもない。」
「……そっか。なにかあったら…すぐ言ってね…?」
「うん。」
優しいな…アズサ兄は。
「ねぇ、アズサ兄。ちょっと…聞きたいことあるんだけど。」
私は不意にさっき思った事を聞いてみることにした。