第3章 元人間のヴァンパイア
「ん…?」
「入口に居ないで入ってきなよ。アズサ兄。」
「……そう、だね。」
アズサ兄はちょっとぎこちなく、部屋の中に入ってくる。
ベッドの隅に二人で腰掛けて、アズサ兄に聞いてみた。
「アズサ兄達も元人間って言ってたけど…その、吸血衝動とかは…あるの?」
「うーん…俺達は…あんまりないかな…?
やっぱり…純血じゃないから…その辺、弱いのかも…。」
そう、なんだ。
私だけじゃないなら良かった…。
「アリスは…どこまで知ってるの…?俺達のこと…。」
「詳しくは知らないよ。アズサ兄達も私と同じで元人間って事ぐらいしか。」
「そっか…。」
「逆に…兄達は私の事もどこまで知ってるの?」