第3章 元人間のヴァンパイア
家に帰り、自分の部屋に閉じこもる。
果たして、イブはアダムを選ぶんだろうか。
そもそも、なぜ…あの方はルキ兄達に頼んだんだろう。
逆巻の奴等でも良かったはず。
っていうか、最初はそのつもりで逆巻家に送ったはず。
……なのに、なぜ私達が必要だったんだろうか。
「アダムとイブ、か…。」
そう呟いた時…わずかに血の香りがした。
きっと、ルキ兄がイブの血を吸っているんだろう。
……思ってた以上に凄い香り。
そういえば…私、ヴァンパイアになったはずなのに…吸血衝動が一度も来ない。
純血じゃないから…そこまで来ないのかな?
ルキ兄達はどうなんだろ…。
今度…聞いてみよ。