第6章 血濡れた面
鬼の突然の行動に唖然とする少年と美雲。
「…お前何者なの?何したんだよ?」
少年が尋ねてくる。それは美雲も聞きたかった。
何が起きたのか分からない。
鬼が見つめていた面をそっと触る。
(…や、厄除の面、凄すぎ!!!)
4日目以降も美雲は鬼と遭遇しなかった。このまま何もせず試験を終えるのは気分が悪い気がして、音を頼りに他の剣士の助太刀に行った。
どの鬼も美雲の面を見ると一目散に逃げようとするので、逃げられる前に刃を振るう。
敵を前にしても、しっかりと刀を振り、首を斬ることが出来る。今までの鍛錬が無駄ではなかったと実感する。しかし、どこか釈然としない。強さであれば錆兎の方が上だ。戦う鬼が強いと思わなかった。
そして、実際に鬼と対戦して分かった。童磨がいかに強い鬼だったのかということを。
倒せる鬼と倒せない鬼がいる。それだけ鬼の強さに幅があるのだろうと予測する。今の美雲の実力では及ばない境地がある。
(…もっと強くならなくちゃ。)
美雲は大きな怪我を負うことなく、7日目の夜を終えた
。