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【鬼滅の刃】 彷徨う水面

第6章 血濡れた面




藤襲山につくと花の匂いがあたりに漂っていた。
麓に淡くぼんやりと浮かび上がるように咲く藤の花に匂いだ。風が吹くたびに花々がゆれ、山の入り口へ誘うようだった。
美しい花々に目を奪われながら、石造りの階段を上る。



ひらけた場所に出ると、刀をもった少年少女たちが20人ほどいた。
その出で立ちから最終選別を受けにきた剣士であるとすぐに分かる。



しばらくすると着物をきた少女2人が話し出す。
綺麗な着物に藤の花の髪飾り。麓に咲き乱れていた花々のような淡い光を纏ったような少女たちだった。



「皆さま、鬼殺隊 最終選別へお越し下さいましてありがとうございます。」



単調に抑揚のない声で試験の内容を説明する。
内容はこうだ。藤の花で囲まれたこの山には鬼たちが捉えられている、その山の中で7日間生き延びる。試験内容は単純なものだったが、鬼と戦う実践は初めてで緊張する。
そして童磨と対峙した時のことを思い出す。全く相手にならなかった。この選別ですぐに鬼に殺されてしまうかもしれない。



しかし、この選別に受からなければ、鬼殺隊として活動する実力はないということだ。初めて自分の実力を試す場所。



(必ず生き残る。そして鱗滝さんの元へ戻る。)



目を閉じ、出発したときのことを思い出す。気持ちを奮い立たせ、他の剣士たちに続いて入山した。


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