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【鬼滅の刃】 彷徨う水面

第5章 呼吸




今日は呼吸法と型を習う。鱗滝さんの言葉を聞き逃さないようにする。その動きを食い入るように見る。



真似るがすぐに「違う」と一喝される。何度も何度も繰り返す。



呼吸に集中すると型がおろそかになる。型に集中すると呼吸がおろそかになる。新しく学んだことを、自分自身に落とし込むことはとても難しい。



息を整える。吸い込んだ空気を体中に巡らせる。そして刀を構える…。
そのまま刀を振ろうとすると、呼吸が続かない。もっと肺活量を上げないと。学んだことを振り返りながら、今後の課題を見つける。
美雲はとっくに”集中”の世界に入り込んでいた。



ひとつひとつの型をゆっくりと動作を確かめるように刀を振る。



ふと思い出す。



(あ、この型…)



伍ノ型 干天の慈雨___
母を切った型だ。母に降り注いだ慈悲の雨。



(冨岡さんも水の呼吸を使うんだ…じゃあ、あの型は…)



母が鬼になったあの日。暴れる母を落ち着かせた、あの技…。波のたたない静かな海、今も鮮明に思い出せる美しい光景。
でも、鱗滝さんから教えてもらった型にあの技はない。



(また鱗滝さんに聞いてみよう…)



少し休憩して美雲はまた刀を構えるのであった。


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