第3章 旅立ち
投げかけられた言葉に美雲は目を丸くする。
自分で自分を苦しめていたのか?自問するも答えは出ない。町を出る、何度も何度も考えてたことだ。何かしら理由をつけて渋っていたのは、自分が町から逃げちゃいけないと思っていたからなのかもしれない。
町を出るという事を町の人々のためと思っていたが、突き詰めれば本当は自分のためだ。踏み出したいのは自分自身だ。
「…生まれてこのかた、町を出たことなんてないし」
美雲は言い淀む。親戚もいない。頼るところはない。
「お前の父は昔鬼狩りだった。結婚して引退したようだったが。独り身だったときはよく狭霧山に通っていた。師がいると話していた。一人で生きていくことが不安なら頼ってみたらどうだ?道は長いが、ゆっくり考える時間になるだろう。」
聞き慣れない言葉聞こえた。父が”鬼狩り”____?