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【鬼滅の刃】 彷徨う水面

第2章 消えた雨粒




(鬼の方が速い…ッ)



間に合わないか、と奥歯をギリリと噛みしめる。



その瞬間だった。
娘を囲うように氷の蓮華が咲き始める。異様な光景に義勇は危険を感じ、瞬時に間合いをとる。
蔦が伸び、鬼を娘から離す。蔦は娘を守るように包む。



(気配に気づかなかったが、この禍々しい威圧感…血鬼術か)



娘が出したのかと思ったが、当の本人は突然現れた蓮華に驚いている表情をしている。



(誰が…)



周囲を警戒するものの感じるのは目の前にいる鬼の気配だけだ。
目の前の鬼は血鬼術を使えるほどの力を感じない。娘の話を鑑みても、鬼になって日は浅いだろう。



どこかにいる別の鬼を警戒する。刀を構え直す。
その動作と同時に、スルスルと蔦が動き出した。義勇に向かい一気に伸びていく。しなる鞭のように。突き刺す槍のように。
その動きは間違いなく操作された動き。術を使っているものがどこかにいる、義勇は確信する。



蔦の予測しにくい動きをかわす。蔦は義勇を囲むようにのびた。逃げ場はない。



ゆっくりと息を吸う_____



「全集中・水の呼吸 拾壱ノ型 凪」



氷の蓮華も蔦も、義勇の間合いでは力無きものとなり消えていった。

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