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【鬼滅の刃】 彷徨う水面

第16章 読めない心




「…っ、きゅ、急に私みたいな隊士をつけられて、嫌ですよねっ。迷惑、でしたよね…。冨岡さんが我慢する必要はありません、私から御屋形様に柱につくのは辞退させてもらえるよう話します…。」


柱の任務を学ぶことや、恩人の役に立ちたいという思いよりも、まず第一に冨岡の負担になりたくなかった。
避けられるくらいなら、その辛さを知らずに済むくらい離れた立場にいた方がいい。


「その必要はない。」


「…御屋形様からお願いされたから、私のことを引き受けて下さってるんですよね。…役に立ちたいと思ってるのに、避けられてしまうのは辛いです。ましてや冨岡さんは私の恩人です。…恩人に迷惑をかけるなんて。…厄介者になりたくない。


……冨岡さんに…嫌われたくありません。」


「…」


冨岡は表情を変えることなく美雲を見ていた。当の美雲は俯き、ぐすぐすと鼻をすする。


「…気を遣うのは白石もだろう。今回みたいなことは俺も初めてだ。どう気を遣っていいか分からない。…だから、屋敷内で任務以外の事で気を遣う必要はない。俺の身の回りのことなどしなくていい。白石は自分のことだけ考えて無理をするな。」


投げかけられた言葉によって冨岡の思いを知る。冨岡も戸惑いながら気を遣ってくれていた。それを知り、じわじわと視界が滲んでいく。


「うう、ううう…。 私は無理してません!せっかく冨岡さんにつかせて頂いたのです、役に立ちたいです…。」


「…分かった。俺は話すのが得意ではない。不安に思うことがあれば、面と向かって聞いてくれ。」

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