第2章 消えた雨粒
___ガラッ___
再会の方法を悩んでいた相手、母の姿は見当たらない。母の代わりに1人の男が座っている。
「、、、だれ、、ですか?? 」
状況が把握できない。
頭から血を被ったような髪色をした男と目があう。
「やぁやぁ初めまして。俺の名前は童磨。きみが美雲ちゃん?」
童磨と名乗った男はにこにこと笑っている。ハの字に下がった眉、口元は笑っているが、張り付いたような笑顔が不気味だ。
「、、、なぜうちに?、、、母は?」
平然と我が家に居座る不気味な男に恐怖感を悟られないように、なるべく落ち着いて問いかける。
「あははは、怯えてる顔も可愛いね~。意地悪したくなっちゃうよ。でもちゃんと教えてあげるね。きみのお母さんは”鬼”になったんだよ。」
「、、、”鬼”?」
「ほらほら、あの”人を食っちゃう鬼”だよ」
「???」
「えぇ〜!!鬼知らないんだぁ~!そんな子もいるんだねぇ!」
あははははと童磨は一人で笑う。
「俺がぜんぶ教えてあげたくなっちゃうなぁ。鬼がどんなことをするのかその身体に教えてあげる。」
童磨が立ち上がり、美雲に近づいてくる。