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【鬼滅の刃】 彷徨う水面

第2章 消えた雨粒




童磨の手が美雲の肩にのろうとする寸前、美雲は一歩身体を退いた。



「あれぇ?怖くなっちゃった??大丈夫、一瞬だから」
童磨は美雲をなだめるかのように穏やかに話す。その優しい口調とは似つかないような緊張感を感じる。



「、、、は、、母は、、どこですか??」



童磨が再び美雲の肩に伸ばしてきていた手を止める。



「ん~。だから、”鬼”になったんだよ。」



理解できないといった表情の美雲に童磨はため息を漏らす。



「彼女が泣いてる声が聞こえたから、話を聞いてあげたんだよ。そしたら彼女は何かにつけて、死にたい、死にたいっていうんだ。だから願いをかなえてあげるって言ったんだ。
そしたら急に「やっぱり死ねない、死にたくない」っていうんだ。だからね、”鬼”にしてあげた。言っておくけど、無理強いはしてないからね。俺は優しいから。」



「最初は身体がなかなか順応しないから、みんな苦しむんだ。でも、彼女には強い怒りがあった。怒りは強さにもなるでしょ。だから彼女はいい"鬼"になる。苦しみながら「美雲、美雲、、、ッ」って何度も呟くから、誰のことかなぁと思ってたんだぁ〜。
”あの方”にも許され、すべては整った。そして彼女は”鬼”になったんだよ。」



「彼女の願いをかなえてあげたんだ。俺は優しいから。」



童磨が話したことは理解しがたかった。母は童磨によって”鬼”という存在になった。その存在は未知数だが、どこかに母がいる。探しに行かなければ。



突然起こった出来事を必死に理解しようとする。
落ち着け。落ち着け。落ち着け___。
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