第15章 柱合会議
「さぁ、そうと決まれば皆に挨拶しよう。ついておいで。」
御屋形様は女性の手を借り、奥の部屋に進もうとする。
「私も手伝います!」
そう言うと、御屋形様はふわっと手で制した。
「あまねがいるから大丈夫だよ。」
そう言うと、横で身体を支えていた女性が口を開く。
「申し遅れました。産屋敷耀哉の妻、あまねと申します。」
女性の美しさに御屋形様のお姉様か何かと思っていた美雲は慌てて頭を下げた。
「出過ぎたことを言いました。申し訳ありません。」
美雲の言葉に2人は目を合わす。御屋形様が穏やかに微笑んだ。
「美雲は優しい子だね。さぁ、行こう。」
寄り添って歩く2人の後ろを美雲をついて行った。
その姿は父と母と重なるようで、温かい気持ちになる。
突き当たりの部屋に着くと、御屋形様が振り返った。
「…義勇を頼んだよ、美雲。」
その一言だけ言うとまた前を向く。
(お世話になるのは私の方では?)と、その言葉の意味が理解出来無かった。どう言う意味か考える間も無く、あまね様がひと声かけて襖を開く。柱たちがずらりと並んでいる姿が見えて、思わず背筋を伸ばした。
御屋形様とあまね様がに続いて部屋に入る。柱たちの視線は美雲に集中する。美雲は視線を彷徨わせたが、その中に不死川を見つける。知った顔を見て安心したが、その視線は少し絡み合った後、スッと外された。