第15章 柱合会議
美雲は十二鬼月との戦いから明け、藤の花の家紋の家で朝食を食べていた。そこに見慣れない鴉が舞い降りる。首に綺麗な組紐を付けている。
「白石美雲、本日産屋敷邸に参られよ。」
それだけ伝えると鴉は去っていった。
(…産屋敷邸。)
そう頭で反芻する。何度目かで漸く理解し、思わず箸を落とした。
(なんで私が御屋形様の所へ?!)
と困惑する。水の呼吸と雨の呼吸、2つ使ってるのを咎められるのではと一瞬考えたが、少し落ち着いてくると、昨日の十二鬼月のことを聞かれるのだなと分かった。
食事を手早く済ませ、鴉の案内のもと、産屋敷邸へ向かう。
昨日負った傷は痛みもなく、何事もなかったかのように美雲の身体は元気だった。
産屋敷邸は、こんな所に屋敷があったのかという所に佇んでいた。そこまでの道は整備されているが、自然に溶け込み、その姿をうまく紛れ込ませている。
深呼吸をし、敷居を跨ぐ。玉砂利をジャッジャッと進んでいくと、最終選別で見た、髪を切り揃えた女の子たちが待っていた。
「お待ちしておりました。こちらへどうぞ。」
導かれるまま庭を進んだ。綺麗に整備された庭で思わずキョロキョロしてしまう。
「こちらで少しお待ち下さい。」
「あ、はい。案内ありがとうございます。」