第13章 募る
熱があるとは言え、流石は柱と言うべきが、足取りはしっかりとしている。表情を見るに病気というよりは疲労という感じだった。
屋敷に着く。「あとは大丈夫だ」と言って、不死川は屋敷へ入っていった。美雲は玄関でお辞儀をして、屋敷を出る。
(大丈夫かな…)
お節介を焼こうとすれば本気で嫌がられそうな気がする。うーん、と悩んだ末、美雲は玄関へ戻った。
「不死川さーん、何かお手伝い出来ることはありませんか?」
玄関で控えめに声を掛けたが、応答はない。鬼殺隊の柱に何かあってはいけないと半ば無理矢理 理由を考え、失礼承知で屋敷で上がる。
そろそろと進むと畳敷きの部屋で倒れ込んでいる不死川を見つけた。
「不死川さんっ!!!」
身体を揺すると不死川はゆっくりと目を開けた。熱が先程より上がっていて、彼の熱い体温を隊服ごしに感じ取る。
「…美雲?」
「少し待っててくださいねっ!」
そう言うと、不死川からそっと手を離し、押入れから布団を引っ張り出しで敷く。
「お布団まで歩けますか?」
いつもなら文句の1つ言ってきそうだったが、大人しく布団に潜り込む不死川。布団に入ると、すぐに寝息が聞こえてきた。
(…お疲れだったんだな。)