第2章 消えた雨粒
どれだけ母にきつい言葉をぶつけられても、私は耐えた。
母の本当の気持ちではない、心の病気がそうさせているのだと何度も何度も言い聞かす。
そんな毎日が何日、そして何年も続いた。
今日も罵倒は続く。
母の言葉に「そうだね」「ごめんね」と返し、何とか受け流す。
我慢。
、、、我慢。
「あんたが死ねばよかったのに。」
、、、、、、、がま、ん、、、
( 無理だ、、、ッ )
母の心ない言葉。我慢と言い聞かせても、これまで蓄積していたどこへもぶつけられない思い。
ぶつけられる相手が美雲にはいないのだ。
父のような存在になりたくて頑張ってきたつもりだ。
でもその努力は何の成果もなかった。頑張っても頑張っても、何も変わらない現実に絶望する。
それでも母を見捨てることはできない。私が頼れる人がいないのと同じ。母は私しか頼れない。
でも、でも、、、、、。
誰かに気付いてほしくて
美雲のこころも必死に悲鳴をあげていた。