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【鬼滅の刃】 彷徨う水面

第2章 消えた雨粒



「お母さん、食事ができたよ」
耳障りにならないように静かな口調で母に声をかける。



「うるさいッ!!!」


「あんたの作ったご飯なんて食べられない!!!人殺し!!!どっか行ってしまえ!!!」



準備した膳を乱暴にたたき飛ばされた。湯気の立つご飯も味噌汁も土間に転がり、土の上で冷めていく。



母は私のことを”人殺し”と詰るようになった。
父が死ぬ前夜に母を起こさなかったことが、母の心のしこりとなっていたのだろう。
”私のせい”で、母は父と最後の会話をすることができなかった。
”私のせい”で、医者を呼ぶことができなかった。
”私のせい”で、父はひとりで死んでいくことになった。



全ては”私のせい”_____



私のせいじゃない、そう叫びだしたくても私は我慢した。
何を叫んでも今の母には届かない。
母もつらいんだ、、、そう自分に言い聞かせて、どんなにつらくても耐えた。
父と約束したんだ。私は母を見捨てたりしない。


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