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【鬼滅の刃】 彷徨う水面

第12章 弟子入り志願




今日も合同任務にあたる。もちろん不死川も一緒だ。
他の隊士が不死川のいつものセリフを待つかの如く、気を緩めている。しかし、今日は違った。



「じゃァ、オメェらでやれェ。」



突然のその言葉に対しからどよめきが上がる。その声を一括するかの如く、不死川が声を張る。



「怠けてんじゃねぇぞォ!クソがァ!!」



ヒィィッ!と隊士達は悲鳴をあげて、鬼の目撃情報が出ている場所へ慌てて進んでいった。ぞろぞろと歩く隊士達の少し後ろを不死川が歩いていく。



林を進み、少しすると草むらからバリッボリッと嫌な音がする。経験で分かる。鬼が人を食らう音だ。美雲はすかさず刀を抜く。
鬼はこちらの気配に気づいたらしく、草むらから出てきてニヤリと笑みを浮かべる。口には真新しい鮮血が滴っている。



「ぞろぞろと鬼狩りかぁ?…俺を殺せるかなぁ?ケケケ!」
ニヤニヤしたまま鬼は動き始める。すると次の瞬間、その姿は消えた。微かに聞こえるシュシュシュという音で分かる。消えたのではない、圧倒的な速さで動いており目で捉えることが出来ないのだ。
鬼を見失った隊士が狼狽える中、美雲は感覚を研ぎ澄ます。姿は見えなくても、足音を聞く。足音が聞こえなくても、空気の流れを感じとる。そこに敵がいる限り何かしらの痕跡はある。


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