第12章 弟子入り志願
思っていたよりも高い階級を口にしたので、少し感心する。女隊士で丁まで登りつめることは少ない。不死川は美雲の返事を聞いて、品定めするかのような視線を向けてくる。
「…鬼殺隊に入ってどの位になる?」
「来月で半年になります。」
不死川はその返事に驚いた。女隊士はなかなか到達した事がない丁に半年で登りつめるのは並大抵の努力をもってしても成し得ない。
もしかしたらなかなか腕が立つのかもしれないと、美雲を見ながら考える。しかし、その階級に見合いそうな出で立ちではない。彼女は華奢で腰に下げている刀が重そうにも見えるくらいだ。
黙り込む不死川の姿を見て、美雲が慌てたように口を開く。
「け、稽古の事は諦めていませんっ!!階級を上げられないこと、一重に私の努力不足です!!今日からより一層任務、鍛錬に邁進しますので、どうかもう少しお時間をくださいっ!!」
さらりとした黒髪が地面に着きそうなほど、美雲は深く頭を下げる。
「…勝手にしなァ。」
不死川は美雲に背を向け、ひらりと手を挙げる。
瞬きをすると、その姿はもう居なくなっていた。