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【鬼滅の刃】 彷徨う水面

第12章 弟子入り志願




鴉の後を追いながら竹林を抜ける。塀が続く入り組んだ道に出た。少し進んだところで鴉が塀に止まった。
木製の門扉が見える。目的地に着いたのだ。それは、風柱 不死川邸だ。美雲が戸を叩くと、役目を終えた鴉は去っていく。



「…御免下さーい。」



門をくぐり声をかけるも応答はない。日中だったので任務ではないはず、と思っていたが柱というのは多忙だ。不在の場合を考えていなかった自分があまりに愚かに思える。不死川が戻るまでここで待たせて頂くのは余りに図々しい。どうしようかと門と玄関の間でむむむと悩む。



「不法侵入かァ?どこのどいつだァ。」



丁度帰宅した不死川と鉢合わせする。誰だと怪しむように鋭い視線を向けられ、思わず縮みあがる。



「か、勝手にお邪魔して申し訳ありませんっ!先日の任務で助けて頂いた者です!蝶屋敷にも運んで下さってありがとうございましたっ!」



早口で話し、ぺこりと頭を下げ、そして顔をあげる。不死川は美雲の顔を少しの間見つめると、思い出したかのように口を開いた。



「あァ、肩を力技で押し込んだ女かァ。」



そう言われて恥ずかしくなる。顔に熱が集まるのを感じる。きっと赤くなっていると思うと余計に恥ずかしくなった。



「そ、その通りです…。」



「わざわざ、そんな事言うために来たのかァ?」



頭をぽりぽりと掻きながら、溜め息混じりに言葉を返すその姿は明らかに"暇人か"と言われているようだった。美雲は要件を手短かに伝える。



「不死川様のように強くなりたいです!稽古をつけて頂きたいです!!」



真っ直ぐに伝える。自分の力を高めるために必要な存在として、真っ先に思い浮かんだのは彼だ。不死川なら足りないところを包み隠さず指摘してくれる。
美雲の申し出に不死川は驚いたが、その真剣な表情に、本気で言っているのだと分かる。

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