第11章 再会
刀を持ち、庭に向かう。鍛錬に没頭するのは得意だ。
鈍った身体を、握力が弱くなった手を、全てを取り戻し、さらに高めるために、美雲は鍛錬に明け暮れた。
肩の安静が終わって2週間。鎹鴉から任務が告げられた。
久しぶりの任務。己を駆り立てられる気持ちと、すこしの恐怖。尻込みしそうになる。またあのような事になってしまったら。
しかし、強くなるにはこの怖さは超えなければならない。任務に行くために、廊下を進む。震えそうな手はなんとか刀に添え、震えないようにする。
廊下で人とすれ違う。その人の顔をみて、息を飲む_____。
(…!! と、冨岡さん…!!)
すれ違いざまにその顔を見つめると、あちらの視線もこちらを向く。
すれ違う間、交じり合つ視線。しかし、直ぐに視線は外され、すたすたと奥へ歩いて行ってしまう。
ドキドキドキドキッ_________
跳ねる心臓を両手で押さえるように、その場にヘナヘナと座り込む。
追ってきたその姿に再会したせいなのか、胸の高鳴りが治らない。その背中が見えなくなるまで見つめた。