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【鬼滅の刃】 彷徨う水面

第11章 再会




あっという間に時間が経っており、慌てて屋敷に戻る。
診察室にしのぶ様とアオイさんがいる。手招きをされた。



動きすぎと怒られるのかと少し身構える。しかし何も問われることなく、三角巾を外され、肩の診察が始まる。



「では、動かしてみてください。」



しのぶ様に言われ、ゆっくりと肩を回す。感覚に違和感はない。



「いいですね。では、美雲さん、これにて治療は終了です。いつもは機能回復訓練を受けてもらうところですが、貴女には不要だと思います。ご自分で満足行くまで鍛錬なさってください。」



「ありがとうございました。」



しのぶ様、アオイさん、両方へ深く頭を下げる。
しのぶ様は笑顔を向けてくれる。アオイさんはふんっと溜め息を漏らした。




「では、こちらを。」



しのぶ様がサッと日輪刀を差し出す。美雲は受け取る。
あの日以来の再会。鞘から覗くように少し刀を抜く。澄んだ刀身がきらりと光った。



「…綺麗な色ですね。」



刀を見つめながら、しのぶ様は口を開く。回復したら聞こうと思っていたことを尋ねてみる。



「しのぶ様、お聞きしたいしたいことがあるのですが、よろしいですか。」



「はい、なんでしょう。」



「不死川様のお屋敷の場所をご存知ですか。」



目を丸くするしのぶ様に慌てて言葉を付け加える。



「鬼から助けて頂いて、こちらに運んで下さったのも不死川様だったと記憶していたものですから。その、一言お礼を…。」



なるほどと納得されたように頷く。



「たしかに不死川さんが運んできましたよ。お礼は不要だと思いますけどね…。下手に近づくと殺されかねませんよ(笑) まぁ、どうしてもというなら、鎹鴉に案内してもらうといいでしょう。」



「ありがとうございます!」



もう一度お辞儀をして診察室を後にした。


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