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【鬼滅の刃】 彷徨う水面

第11章 再会




安静が解除され、すみちゃん、なほちゃん、キヨちゃんに手を引かれ、屋敷内を歩く。3人とも嬉しそうに案内してくれる。
縁側に出ると、病室で感じるよりも強く陽光を浴びる。久しぶりの日光はとても眩しかった。



「…少しここで休憩してもいい?」



3人に声をかける。



「はい!お茶をお持ちしますね!」



パタパタと廊下を走っていく背中を見守る。微笑ましかった。
縁側に腰を下ろす。太陽を全身で感じていると、風がふわりと吹き、髪が揺れる。
藤の花の家紋の家でのことを思い出す。縁側に座ったのは、あの泡の鬼と戦った日以来だった。一緒に食事をとって笑いあった隊士は皆亡くなった。救うこともできず、自分も命を落としかけた。



あの時不死川様が来なかったら_____
私は殺され、犠牲者はもっと増えていただろう。



もっと強くならないといけないのに、こんなところで立ち止まっている自分が情けない。
肩の傷がズクリと痛む。己の弱さのせいだと痛みに耐える。



落ち込んでいく気持ちを振り払う。
ここでグズグズしている時間さえない。進むしかないのだ。
美雲は顔を上げ、太陽に向いた。



パタパタと足音が戻ってくる。そちらに視線を向けると、盆にお茶と茶菓子を乗せて笑顔の3人がいた。

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