第11章 再会
床上安静の1週間は、長いようであっという間だった。まずは1日の感覚を取り戻す。朝起きて夜寝る。長い眠りのせいでこんな簡単なことでも感覚を戻すのは少しかかった。
床上安静というのはとても退屈だった。身体を起こすのも許されなかったから、基本的にはずっと横になっている。食事の時だけ少しだけ身体を起こす。
身体を動かしたい衝動に駆られたが、懸命に手当てしてもらっている恩がある。少しだけ、手をグーパーグーパーと動かす。左右で感覚に差もなく動かすことが出来る。
やることはなかったけど、すみちゃん、なほちゃん、キヨちゃんがいつも傍らにきて、いろいろな話をしてくれた。今日はこんな隊士が来たとかそんな話だ。他愛のない話で1日終わる。
意識が戻ってから1週間。しのぶ様の診察を受ける。
ゆっくりと身体を起こし、ベッドから足を下ろす。足の裏に床が触れる。
徐々なら体重をかける。久しぶりの感覚に心臓がどきどきと高鳴る。
「…問題なさそうですね。安静はもういいでしょう。肩の荷重は駄目ですから、三角巾忘れないでくださいね。もうしばらく療養して、任務再開の時期は私が決めます。」
しのぶ様が笑顔で淡々と説明してくれる。
「ありがとうございます!」
「無理はしないように!」
見守ってくれていたアオイさんに念を押される。眉はキュッと上がっていたが、口元は優しく、回復を喜んでくれているようだった。