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【鬼滅の刃】 彷徨う水面

第9章 歪む糸




(水の呼吸が使いこなせてないのか…)



鱗滝さんは水の呼吸から派生する呼吸法は多いと言っていた。
水の呼吸を使い始めて2年程になる。それなのに短期間でこの刃こぼれは合っていないのだろうと直感で分かる。
しかし、新しい呼吸法を派生させることに少しの抵抗があった。派生させることが難しいから、というのが理由ではない。水の呼吸に拘ってしまう理由___。



それは、"冨岡さん"だ。
自分を救ってくれた彼が使っていたのが水の呼吸だった。そして、あの拾壱ノ型。あの型さえあれば救えるものは格段に増えると確信していた。
この呼吸を極めたいと言う思いと、垣間見える限界の狭間で葛藤する。



悩む頭を抱え、任務後 藤の花の家紋の家に寄ることなく、山奥へ入っていった。



何度か任務で一緒になった同期が美雲の行動を不審がった。
任務が終わると皆、休養を取ろうとするのに、美雲は居なくなるのだ。休息を取っている様子がない。1回だけでなく、任務後毎度居なくなる。
任務後何をしてるのか問われた。本当のことを言うと変に噂を立てられそうなので、適当に話を流した。



任務後、美雲は山奥へ進み、鍛錬をしていた。
任務が終わった後なのに頭がおかしいと思われるかもしれない。鱗滝さんにも休憩も鍛錬のうちだと怒られそうだ。
一人、黙々と鍛錬をしているのには理由がある。美雲は探していた。自分だけの呼吸を。

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