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【鬼滅の刃】 彷徨う水面

第8章 初任務




おばあさんからお話を伺うと、この家は藤の花の家紋の家と言って、鬼殺隊の休養所として力を貸してくれる所なのだそうだ。



おばあさんは目にも止まらぬ速さで身体を拭くものと着替え、布団を敷いてくれる。お風呂も用意出来ていますよと目を細めて微笑んでくれる。



「…ありがとうございます。」



手をついて丁寧に頭を下げる。
ここまでしてくれるのは、この人も鬼に襲われたことがあったのだろうと予想がついた。支える形で鬼殺を後押ししてくれる方々がいる。自分の肩にかかっているのは責任だけでない。未来に向けた期待も託されているのだと知った。



白い湯気が湧く、風呂に浸かる。芯まで冷えた身体が温まっていく。かじかんだ指先は湯の中でじんじんとした。
ほっと息をつく。今日みたいな任務が続けば鱗滝さんの家へはなかなか寄れない、まめに手紙を書いて無事を知らせようと考えながら目を瞑る。



任務に行きながら自分の故郷を守っていた父は凄いと改めて思う。
私はまだ父にも及んでいない。ましてや、冨岡さんなんて比べるのもおこがましいくらい天と地の差だろう。



風呂から上がる。湯上がり用に用意された着物を着る。
縁側を歩きながら部屋に向かう。風に吹かれ、髪がふわりとなびく。日は高く昇ってまばゆい陽光を差す。任務をこなした夜が遠い過去の様に思える。しばらく外を眺めていると声をかけられる。

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