第7章 色変わりの刀
刀身の色は変わり、一瞬透けたように光る。
誰もが言葉を失ったのは、全員にそう見えたからだろう。
「こ、これは…と、透明でしょうか」
「…いや、これは銀色です。とても澄んだ銀色です。…一瞬、あまりの透明感に透けたのかと思いました。初めて見る色です!」
刀身をじっくりと見ていた鉄穴森さんが声を弾ませて言う。
「わしも初めて見る色だ。透けたような綺麗な色だ…。」
鱗滝さんも刀をじっと見詰めている。
おずおずと美雲は口を開き、気になったことを尋ねる。
「…あの、刀ってもともと銀色じゃないですか。今も銀色となると色変わりしたと言えるんでしょうか…」
その言葉に少し考え込む2人。先に口を開いたのは鉄穴森さんだった。
「白石殿が刀を持ってから、刀身の色は徐々に変わっていったのは確認しました。銀色は銀色ですが、もともとの色とは明らかに違う。この澄んだ銀色は刀鍛冶では作れません。色変わりした、と考えていいと思います。」
その言葉に鱗滝さんも賛同するように言葉を続ける。
「お前だけの刀だ。澄んだ銀色…いや透明の刀だ。」
二人の言葉に胸を撫でおろす。そして、透明の刀って弱そうだなと笑った。
そのあとも、鉄穴森さんに握りやすさなど細かく確認された。手にしっくりと馴染む刀に愛着が沸くと同時に、自分の刀を手にして、鬼殺隊としての人生が始まるのだと気が引き締まった。